PIG/ピッグ

どんな人にオススメ?

  • ニコラス・ケイジが好きな人
  • 愛の物語を見たい人
  • 不思議な感覚を得たい人
  • 新ジャンルを開拓したい人
  • 予想を裏切られたい人
  • 深~い作品をみたい人

あらすじ

長い間、人と関わらずに生活していた主人公ロブ(ニコラス・ケイジ)。

ある日、最愛のトリュフ豚が何者かに誘拐されてしまう。

豚を取り戻すために街に降り、主人公の正体と豚の行方を追う物語。

感想(ネタバレ有)

2022年においてのベスト映画。

音楽、映像の雰囲気の観点から機会があればぜひとも映画館で観ていただきたい。

作品は三つのチャプターに分けられており、それぞれに料理の名前が冠されている。

このタイトル名が絶妙で料理名なのによい味を出しており監督のセンスの良さを感じる。

実は、この映画には主人公がもう一人いる。トリュフバイヤーのアミール(アレックス・ウルフ)だ。

ロブの豚を追いかけるうえで彼の存在は欠かせない。豚を追うと共に彼の父親との確執にも迫るためだ。

~chapter1~

このチャプターの時点で二人の主人公を好きなる人は少ないと考える(笑)

ロブは不愛想で怖い正体不明のおじいちゃんという感じだし、アミールは成金小僧という印象が拭えない。

ここでの彼らの印象がラストのなんとも言えない深い達成感を与える隠し味になっている。

一方でアミールは作品の中で私たち鑑賞者と同じ視点に立って物語を進めてくれる。

ロブの正体を考えながら作品を見ることになるがアミールが抱く不信感などは私の感情そのものであった。

~chapter2~

徐々にロブの狂気(豚好きすぎん?)と異常な強さが判明する。

長年、森にこもっていたはずの男が持っている、異様な人脈。

出会う人々がロブに向ける言葉は一層の不気味さと魅力を我々に与えてくれる。

裏主人公のアミールが抱える父親との確執が明らかになり徐々に物語の真相がみえてくる。

ここらへんでアミールがただのボンボンではなく正当な努力と才覚の持ち主だとわかる。

~chapter3~

当然だがこれまでちりばめられてたヒントがゆっくり、丁寧に回収される。

ロブが捨てた過去は最愛の妻との別れのためであり、森での生活はその寂しさを埋めるためのものでもあった。
妻の代わりとなっていたのがトリュフ豚であり異常な執着心の正体も判明する。
豚の行方を追う今回の旅はロブの過去を辿る旅でもあった。

では、豚を盗んだ黒幕は誰だったのか、答えは「アミールの父親」である。
豚の誘拐はアミール親子の確執によってもたらされた出来事だった。

ロブは豚の行方を聞くためにアミール親子の思い出の料理を作ることになる。
これによりロブは妻を失う前の自分を完璧にたどったことになる。

ここのシーンがめっちゃ深く、間がすごいいい!これが俳優の力と言わしめるシーンなのでぜひみてもらいたい。

ロブの料理に心を動かされた父親は豚のありかを話すがすでに豚は死んでおり二度と取り戻すことはできないことが判明、、、
ここは当たってほしくない予感が当たってしまいやるせない感情になってしまいましたね、、、
一貫して無口で強い漢だったロブが号泣してしまうのが印象的でした。

妻の喪失から立ち直ったかと思ったところ、二度目の最愛の喪失!
自分だったら神様を恨んでしまいそうです、、、

物語のラスト、ロブは再び山小屋に戻り、寂しさを埋めなおす日々を送ります。
豚が戻らないときはバッドエンドの話かなと思ったのですが安直に街に戻らず元の生活に戻ったのはよかったと思いますね、、、
何かを愛するというのはそれを失って埋めるまでがセットなのだと学びました。

まとめ

コメント

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